控訴事件が増えるんじゃないの [法律]
今日最初の裁判員制度による裁判が、
東京地方裁判所で行われました。罪名は、殺人罪です。
公判前整理手続によって争点はかなり絞られているので、
4日程度で判決が下されるそうです。
なおの事件では、
被告が罪を認めていることもあって実質的な争点は、量刑でしょうね。
いわゆる相場では、10~12年になる事件です。間違っても無期や極刑はあり得ません。
ただ“素人”が参加しているので相場より重くなるかもしれません。
この裁判員制度ですけれど、
わざわざ新しい法律を制定する必要はなかったと思います。
だって、陪審法があるんですからね。ただ、目下施行が停止中です。
もちろん戦前に制定した法律なので、
かなり大がかりな改正が必要だったにしても裁判員法よりも民主的ですよ。
まず、陪審にするかどうかは被告が選べました。
裁判員法では、被告に拒否権はありません。原則該当事件は、裁判員裁判で行われます。
ただし陪審で裁判をやった場合、
控訴は出来ず判決に不服がある場合上告するしか手はありませんでした。
つまり、二審制での裁判になります。
戦前だって第一審(地裁)。第二審(控訴院)。そして第三審(大審院)の三審制ですよ。
二審制の裁判は、陪審裁判だけでした。
裁判員制度の裁判では、
控訴も出来ますしもちろん最高裁へ上告することだって出来ます。
上告が認められるかどうかは別ですが……。
ちなみに控訴はわりと簡単に認められます。
まして法定陪審なので検察・弁護側共に控訴が増えるんじゃないですかねぇ。
弁護側は、量刑不当。検察側も事実認定に問題アリとしてね。
もっともあまりにも控訴が増えれば、
裁判員法も陪審法同様に伝家の宝刀“施行休止”にさせられるかもしれませんね。
そうそう陪審員は、
30歳以上の成人男子で国税を2年以上3円以上納めているなど条件がついていました。
でも裁判員は、20歳以上の日本国民であれば誰でも選出されます。
お巡りさんなどは、なれませんけどね。
この点では、目下施行停止中の陪審法と同じです。
といったところで、今日は終わり。また、あした。
~8/6追記~
今日午後判決が出ました。16年の求刑に対し、15年です。
“相場(求刑の7~8掛け)”より重い判決になりました。
どうしますかねぇ、弁護側は。検察は控訴しないでしょう。求刑-1年ですから。
そうそう。
始まりましたね。
最高裁で何処まで評価できるか。
控訴は増えるでしょうね。
by M副室長 (2009-08-05 21:22)